変形時間労働制で教員働かせ放題が合法化!?現役教師がわかりやすく解説

こんにちは、ライスです。

ねこ美

教員の変形労働時間制って何?
教員の働き方がどう変わるの?
メリットやデメリットが知りたいです。

このような悩みを解決します。

今、公立学校に「1年単位の変形労働時間制」を導入するという改革がなされようとしています。

ライス

コレ、教員にとって大ニュースなんです!

ねこ美

待って、変形労働時間制って何?

変形労働時間制とは簡単に言うと以下のような働き方です

変形労働時間制
  • 授業がある繁忙期には1日8時間働くところを10時間働く
  • 多く働いた2時間は通常業務として残業扱いにはしない
  • その分夏休みなどの「ヒマな時期」に休みに多くとる
  • 結果的に1年単位で働く時間を減らす

ねこ美

へぇー。何か良さそうだけど何が問題なの?

ライス

問題ありまくりなんだよ!

残業代も払わなくて済むし、トータルの労働時間も減らせるしいいじゃん!と思いますよね。

しかし、そうはうまくいかないんです・・・。

心配される点をざっくり言うとこんな感じです。

心配される点
  • 定時が伸びても仕事量が減るわけではない。
  • 夏休みは「ヒマな時期」ではないから休めない。

変形労働時間制を導入することによって、労働時間は変わらず、むしろ長時間労働を合法化することになる=改悪と言われているんです。

ねこ美

うわ・・・なんかヤバそうだ・・・

本記事では、変形労働時間制が導入された場合、教員の働き方はどうなってしまうのかをまとめました。

相当やばいですよ。ぜひご覧下さい。

教員の変形時間労働制とは?労働環境が改悪!?

ねこ美

そもそも変形労働時間制はなぜ導入されるの?

ライス

それは教育現場の労働環境は過酷すぎるからだよ…。


教員の過酷な労働環境
  • 小学校教員の約6割、中学校教員の約7割が過労死ラインを超える長時間労働をしている
  • この10年間で60名以上もの教員の方が過労死している
  • どれだけ時間外労働や休日出勤をしても1ヶ月の給料4%分しか支払われない(給特法)

つまり、過労死ラインを超えるほど長時間労働してももらえる残業代は月給の4%だけ。

具体的に言うと、月給20万円もらってる人が月100時間残業しても休日出勤をしまくってもその分の手当は8000円しか支払われないということ。

ライス

スマホ並みの定額働かせ放題システム!

ねこ美

闇が深い…

「このままではさすがにマズい」ということで、国がとった対策が「変形労働時間制」の導入なのです!

ライス

これが給特法の改正ではなく改悪と言われる原因です!


変形労働時間制とは
  • 授業がある忙しい時期には1日8時間働くところを10時間働く
  • 多く働いた2時間は通常業務として残業扱いにはしない
  • その分夏休みなどの「ヒマな時期」に休みに多くとる
  • 結果的に1年単位で働く時間を減らす

>>文部科学省のホームページ

ライス

つまり、「授業がある日の定時を2時間延ばし、その分の振替を夏休み期間などに持っていく」ということ!

ねこ美

その分夏休みに休めるなら、むしろ効率いいように思えるけど・・・

そうなんです。一見勤務時間をうまく調整しているように見えますが、肝心の過酷な勤務実態は変わりません。

それどころか、勤務環境が悪化することが予想されます。

その理由は以下にまとめます。

教員の変形労働時間制導入のメリットとデメリット

変形労働時間制のデメリットは以下の感じ。

変形労働時間制のデメリット
①定時後の残業代が出ないことは変わらない
②育児や介護が成立しない
③夏休み中もおそらく休めない
④過労で倒れる教員がより増える
⑤部活顧問は相変わらず手当が出ない
⑥年休はますます消化できない

デメリット①:定時後の残業代が出ないことは変わらない

今回の制度改革は、残業を残業と認めない「給特法」の仕組みを大きく変えずに行います。

給特法とは
  • 時間外勤務手当は支給しない
  • そのかわり、月給の4%を教職調整額として支給する
  • 校長が教員に時間外勤務を命じることができるのは、4項目かつ臨時・緊急時のみ

ここでいう4項目とは、

  1. 生徒の実習
  2. 学校行事
  3. 職員会議
  4. 非常災害等やむをえない場合に必要な業務

です。

現状、学校で終わらない丸つけ業務などは家に持ち帰って行ったり、定時の後や土日に部活の指導するなどは「校長が時間外労働を命じることができる範囲外」なのです。

しかし多くの先生がこれらを当然のようにやっている。

ライス

今の時点でおかしいんですよ?

給特法の仕組みを大きく変えないということは、定時を過ぎた後に「自発的」に仕事をしていることにされてしまう「月額定額働かせ放題」の実態は変わらないということです。

デメリット②:育児や介護が成立しない

育児や介護をしている先生もいるはずです。

例えば、私の勤務する高校は定時が14時30分。

定時で退勤して幼稚園に子どもを向かいに行き、晩ご飯のしたくをする先生もいます。

変形労働時間制で定時が延長されると、18時30分まで学校に残らざるを得ない、ということになります。

ねこ美

え、育児が回らなくなるじゃん・・・!

育児を成立させるために有給を使って早退ということになってしまいます。

早退できればまだマシですが、延長された時間にまで抜けられないような大事な会議を詰め込まれてしまったらどうしたらいいのでしょうか。

デメリット③:夏休み中もおそらく休めない

変形労働時間制の考え方は「夏休みなどの暇になる期間にまとめて休みを取りましょう」というもの。

ライス

そもそもこの考えがおかしい。

はっきり言って、夏休みは暇ではありません。

むしろ「夏休みの方が忙しい」までありますよ。

平日にできないような会議や受験指導などが詰め込まれ、夏休み中も普通に過労死ラインを超える長時間労働をしている教員も多いのが現状です。

部活動も毎日のようにあります。

現在の土日のように、「自発的」な部活指導や事務作業、受験指導を余儀なくされることが予想されます。

デメリット④:過労で倒れる教員がより増える

1年間で見たときに過労で倒れる教員が多いのが、夏休みなどの長期休みまでの期間だと言われています。

夏休みでまとまった休みが取れることになったとしても、そこにたどり着くまでに倒れてしまうのです…。

ライス

新学期スタートから部活動の夏季大会まで息つく間もなく駆け抜けるからね・・・。

人間は「寝溜め」ができません。当然「休み溜め」もできません。

デメリット⑤:部活顧問は相変わらず手当が出ない

定時が延長されることで、部活の顧問をすることが正式に仕事の一つとなります。

「部活顧問が時間外労働のボランティア」と問題視され、顧問を外部の人に委託する流れがありますよね。

今まで通り教員が部活動のを担当することが続けば、「時間内の正式な仕事」ということになります。

時間内なので当然手当は出ないでしょう。

デメリット⑥:年休はますます消化できない

平日の勤務時間の分夏休みなどの長期休暇で休んでもらうということですが、これは言わば「代休」。

もともと権利として与えられている年次休暇の消化にはなりません。

ライス

ほとんどの先生が年次休暇を消化したくても消化できていないんです。休んだら生徒が困りますからね・・・。

本来授業がない夏休みは、唯一ともいえる「年休消化のチャンス」。

変形労働時間制が導入された後は、年休を使うタイミングはなくなります。

メリット

はっきり言って、変形労働時間制のメリットは実質ありません。

ねこ美

ないの!?

ライス

うん、ない。

もちろん、変形労働時間制のすべてが悪いというわけではありません。

閑散期をしっかり「作ることができれば」変形時間労働制がしっかり機能してくれるので、大きなメリットになるはずですよね。

閑散期を作るためには、業務を減らしたり外部化したり教員を大幅に増やしたりといったことが必要。しかし・・・

ライス

驚くことに、「増やさなければいけない」はずの教員の数を、財務省は減らそうとしているんだって…

加えて、教育現場では英語教育消費者教育ITプログラミングまで教員が教えなくてはならなくなっているんです。

ねこ美

もうわけがわからないよ…。

ライス

これじゃあ閑散期はつくれないよね・・・。

教員の変形労働時間制導入はいつから?

変形労働時間制のこれまでの流れをまとめると以下の感じです。

  • 2019年10月9日:給特法の改正案が自民党の文部科学部会で了承される。
  • 10月18日:閣議決定される。臨時国会に提出される。
  • 11月19日:臨時国会の本会議で衆議院通過する。

成立すれば各自治体の判断で2021年4月から変形労働時間制の導入が可能になってしまいます・・・。

ねこ美

うわ、本決定寸前じゃん・・・!

ライス

そうなんです・・・。くつがえって欲しい・・・!

まとめ:教員の変形労働時間制に反対!

変形労働時間制が導入されたらどうなってしまうのでしょうか。

  • 過労教員がますます増える
  • 早期退職者は増える
  • 教員になりたい大学生がいなくなる
  • 人手不足がますます深刻化する
  • 教員の負担がさらに増える

こんな負のスパイラルが激しく回り始めます。

家族のために働いているのに家族を犠牲にし、疲れ切って仕事に追われることになるのは目に見えています。

そんな状態で子どもたちにいい教育ができるでしょうか?

そんな状態で教員を続けていくことができるでしょうか?

教育の質を保つためにも、

  • 優秀な人材が安心して教員の道に進めるように
  • 現場にいる教員が子どもと向き合う時間をしっかり取れるように

このあたりのフォローが絶対必要です。

ライス

「業務を減らす&人増やす」方向で、教員の労働環境を整えて行って欲しい!

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